「心配してほしい・気遣ってほしい」はバージョンアップの時

パートナーシップ

パートナーに対して、「心配してほしい、気遣ってほしい」と思う時。そのほとんどは「自分はパートナーに愛されていない」と思い込んでいる場合が多いです。

そして、あなたがパートナー間で満たされない思いがあって、カウンセリングにお見えになったとしたら、実はパートナーも同じ分量の苦しい気持ちを心の底で感じているかもしれません、なぜなら二人の間で感情は共鳴するから。

パートナーも苦しい思いを抱えていたとしたら、分かってあげられるのは同じ苦しみを感じているあなただけです。

…というのが前回のお話でした。

今回は「心配してほしい。気遣ってほしい」とパートナーに感じて苦しい時は、実は「あなたをバージョンアップさせる時」かもしれません、と言うお話です。

私は過去、夫と「家を壊すくらいの大ゲンカ」をしていた頃がありました。家の壁には私の拳の形の穴が開いていた頃の話です。

その頃、夫に対してこんなことを思っていました。

「夫は私がしてい欲しいことを何一つしてくれない」

「私のしてほしいこととは反対の事をする」

「私の話が伝わらなすぎるので、夫には何かコミュニケーションの問題があるのかもしれない(自分はカサンドラ症候群かもしれないと思っていました)」

カサンドラ症候群なのかもしれない…というのは、それくらいに私の事を分かってもらっていない、意思疎通ができなくて苦しいと感じていた、ということです。

自分のことをわかって欲しい気持ちが通じない、というのはとても辛いことですよね。

パートナーと一緒に過ごしていても、繋がりが持てないでいるというのは、一人でいる事よりも孤独を感じますし。

二人でいることが苦しみになるとしたら、一緒にいることに絶望や諦めや怒りを感じますよね。

わかります。

ここで感じる気持ちが辛いことは、とてもよくわかりますよ。

過去に自分のことを夫にわかってもらえないと苦悩していた時は、私は夫に対して「わかって欲しい、愛してほしい」と心の底から思っていました。

けれども、実は私は「自分のしてほしい愛し方しか受け入れません」と思っていたのです。

私のしてほしい愛し方って、言葉にするとこんな感じです。

「私が何も言わなくても、私の考えを全て察して助けてほしい」

「常に優しい言葉をかけて、見守って欲しい、愛していてほしい」

「私の恐れや不安を察して、解消に努めてほしい」

…書いていて笑ってしまうのですが、今ならこうつっこむ。

「どこぞの姫か!」

いや、今でもこのニーズはないわけではないです。

今でも時々顔出しますよ、特に自分に余裕のない時。

出てきますよね?自分ばっかり頑張ってるのにって時は特に。

当時の私は上記のような愛し方しか察知できなかったと言えます。自分がしてほしいことでしか、愛されていると感じられなかったのですね。

こういった夫への望みは実は子どもの時の私が親に対して思っていたこととはそっくりそのまま同じです。

子どもの時に親対して思っていた「自分のすべてを察して与えて満たしてほしい」と言う気持ち。

これは子どもの時に親に見たいてもらえなかったニーズを、夫に満たしてもらおうと(無意識に)思っていたということなのですが。

前述の夫に対するニーズを見てみると、

助けてほしい、わかってほしい、見守ってほしい、解消してほしい

という風に、私のニーズを通すことのみが語られているのがわかると思います。

親子関係の時はそれでよかった。

でもパートナーシップというのは大人同士の関係です。

お互いで満たしあう、という関係性です。

私が夫に対して「愛してほしい!」と叫んでいた時、私は果たして夫を愛していたのでしょうか。

ごめんなさい、夫。愛を乞うばかりで私からは愛していませんでした。

前日の私のように、自分の愛してほしいやり方しか察知できずに、自分のニーズのみに偏ってしまった時、要するに相手に求めてばかりの時に、二人の関係性は良くない方向に傾きやすいです。

この辺りでカウンセリングにお見えになる方は多いですね。

付き合ったばかりや結婚したばかりの時は、自然にできていた「相手にしてあげたい」という与えるということが、長く一緒にいるうちに親へのニーズを投影してしまって、無意識のうちに求めるばかりになってしまうのかもしれません。

こんな時には、子どもの時のやり方をしていることに気付くことが大事。

相手に対して、心配してほしい、気遣ってほしいという気持ちが出てきている時は、今のやり方を手放して、新しい見方をする時かもしれませんよ。あなたのバージョンアップが求められているのです。

新しい見方とは、大人同士満たしあうための視点。

あなたが苦しくてカウンセリングに見えた、ということは、あなたのパートナーも同じような苦しい気持ちを抱えているかもしれない、ということ。

その苦しみはパートナーであるあなたしか見てあげられないのです。

まずはあなたの苦しい気持ちを使って、パートナーを理解するという所から始めてみるといいかもしれません。

一緒にパートナーシップであなたからできることを見ていきませんか?

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